2011/11/14◆韓国と米国のFTAの影響

代表幹事の坂井昭彦です。

TPPの議論の中で、よく引き合いに出されるのが、米韓のFTAの話です。日本は韓国にしてやられた、先を越された!みたいな話がニュースなどでも出てきますが、実際には韓国は米国側に有利な条件で条約を締結させられたといった面があり、このあたり正確な報道が少ないように思います。また、日本と同様、韓国も安保の問題があり、それをタテに不平等な内容を押しつけられても文句を言いにくい状況下にもあります。それを仕方ないと考えるのか、気に食わんから何か別の方策はないかと考えるのか、まあそのあたりはさておき、現実に、我々の関連する法務・資格分野ではどうだったのか、調べてみたところ、下記のような内容であることがわかりました。

聯合ニュース「韓米FTA後の生活変化を1冊に 韓国政府が広報本 」より
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/10/24/0200000000AJP20111024003300882.HTML
> 韓国政府は24日、来年1月の発効を目指す米国との自由貿易協定(FTA)を詳しく紹介する広報本を発刊した。
(中略)
> 食べ物以外では法律事務所や会計事務所の市場開放で消費者の選択の幅が
> 広がることをアピール。発効後、米国の弁護士資格所有者は韓国でも国際
> 公判と米国法について諮問サービスを提供できる。発効5年後には米国の
> 法律事務所が国内事務所と合弁事務所を設立し、韓国内の弁護活動も可能
> になる。税務事務所や会計事務所も発効とともに、米国および国際税法お

上記の広報本も含め、もう少し詳しいちゃんとした情報を入手したいところですが、あと、付加的情報としては、韓国では韓米FTAに関し、米国側に有利な不平等条約であるといった批判から、批准に反対の声が上がっており、今現在まだ延期されたままのようです。

それもこれも考え併せると、今の時期に何故、日本がTPPへの参加表明をしなければならなかったのか?という疑問にも何となくコタエが見つかりそうです。

つまり、その底流には米国の思惑(韓国と日本を互いに「乗り遅れたらあかん」と競わせて米国に有利な条約を早期に締結・発効させる)があるんじゃないかという気がします。陰謀論者の私としましては。(わはは)

ちなみに、韓国のメディア(たぶんにこちらも財界などの代弁者ではないかと危惧されます)も、そのあたり、煽るような記事を一斉に載せています。

朝鮮日報「韓米FTA挫折、TPP成立の仮想シナリオ」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/14/2011111400424.html

中央日報【社説】韓米FTA批准をこれ以上遅らせるな
http://japanese.joins.com/article/406/145406.html?servcode=100§code=110

坂井昭彦@世の中、表のキレイゴトだけではなくちゃんと裏まで見て判断しないとね。