平成23年度版中小企業の会計に関する指針

みなさんこんにちは!代表幹事の坂井昭彦です。

休みの日も朝から青税三昧ですが、メール整理をしていて、一点、報告漏れがあることに気づきました。

平成23年度版中小企業の会計に関する指針の公表]

税制改正法案が宙ぶらりんな状態でなかなか決着が遅れたことにより公表が遅れていた「中小企業の会計に関する指針」の平成23年度版ですが、このたびやっと、7/20日付で公表されました。

先日の理事会傍聴レポートにも書いたとおり、既に6/9の時点で内容はほぼ固まっており、あとは税制改正法案の条文番号等が確定するのを待っていたとか、そういった些末な事情により遅れていただけで、内容についても基本的には会計基準や法令改正による文言等の変更などが主なところで実質的にはほとんど昨年度板と変わっていないとのことです。

また、「中小企業の会計に関する指針」をより平易な利用しやすいものにしてゆくという方向性が決定され、平成24年度版での実現を目指すとのことです。

※ 詳しくは 日税連のホームページ をご参照下さい。

閑話休題

「中小企業の会計に関する指針」と言えば会計参与やチェックリストなどの関連論点が頭に浮かぶところですが、後者のチェックリストについては総会や理事会でも質問がなされたように、3/15日付の「税理士界」に「信用保証協会が行う『中小企業の会計に関する指針』に基づく信用保証料率割引制度の見直しについて」という記事が掲載され、割引制度の要件が非常に厳しくされた上に、非違事項の多いチェックリストを作成した税理士に関しては1年間の割引不適用とされ、その税理士の関与先であるというだけで割引制度が受けられない(他の税理士にチェックリストを書いてもらえば受けられるが、その税理士のチェックリストはダメ)といった方向性で取り扱われることになりました。

また、これに併せて日税連の池田会長名で「適正なチェックリストの作成を」という記事も掲載されました。

これだけ聞くと、よほどひどい内容のチェクリストが頻出しているんだな、という印象を受けるのですが、一方では「ホンマかいな?」とやや疑問に思うところがないでもありません。

このあたりの経緯については、5月の理事会だったかなと思いますが、理事から質問があり、その答弁として「あまりにひどいチェックリストが頻出したので、保証協会の方からこの割引制度はやめましょうという話が持ち込まれ、日税連としては、このチェックリストを適正に作成して割引制度の恩恵を受けている会員も多々いるからということで、なんとか存続してもらえる方向性で妥協案を探った結果、こうなったんだ」といった説明があったように記憶しています。

しかし、そもそも、最初は提出さえすれば良いとか、15項目のうちの1項目だけ書いておれば適用が受けられる、といった、要は、普及のために大盤振る舞いしていた時期があったわけで、なんだかんだもっともらしい理由をつけてはいますが、単にそこから一段階、締めにかかっただけではないの?という気がするのですね。

チェックリストに関しては、クライアントに提出することは私も全く問題ないと考えていますし、有用なものであると考えていますが、それが半強制的に金融機関にまわされていく、という流れについては、ある意味、不健全な流れであると考えています。

金融機関を守るために昔は護送船団方式などと言われる方法を用いていましたが、今は、金融機関が本来負うべきリスクや責任を、どんどんユーザーに押しつけるといった形で金融機関を守るのがトレンドになっています。

結局はその流れの中で税理士がいいように利用されているだけではないのか?

とまあ、そういった視点からも考える必要があるのではないかという気がする今日この頃です。

坂井昭彦@本気で税理士の社会的地位の向上を考えるのであれば、利用されるだけの存在ではアカン!と思うのでこのあたりもよく考えないとね。